合に万葉仮名を並べ「}」で括っている。]
阿伊宇愛延
淤加伎紀久祁氣古許佐斯須勢蘇曾多知都弖斗登那爾奴泥怒能
波比斐布幣閇富麻美微
牟売米
母夜由用余
羅理琉礼漏呂
和韋恵袁[#表ここまで]
[#ここから著者注。二行目以降二字下げ]
○以上奈良朝の八十七の音韻を後世の仮名を標準にして言えば、伊呂波の仮名四十七と濁音の仮名二十と、合せて六十七のうち、エキケコソトノヒヘミメヨロの十三と、その中の濁音ギゲゴゾドビベの七つと、合せて二十の仮名は、その一つがおのおの奈良朝の二つの音に相当する故、奈良朝の四十の音にあたり、その他の仮名は、おのおの一つの音に相当する故、すべて四十七の音にあたる。合せて八十七音となる。
[#著者注ここまで]
 奈良朝においては、以上八十七の音が区別され、当時の言語は、これらの諸音から成立っていたのであるが、それでは、これらの諸音の奈良朝における実際の発音はどんなであったかというに、これは到底直接に知ることは出来ないのであって、種々の方面から攻究した結果を綜合して推定するのほかない。それにはこれらの音を表わす為に用いられた万葉仮名が古代支那においてどう発音せられたか(勿
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