Nで、同年六月七日から二十九日までロンドンの新奇座で女優エチャーチの一座で演じた、その臺本の記念出版である。このとき初めて英語で『エ・ドールス・ハウス』即ち『人形の家』と題せられた。しかしもつと原名に忠實にするためには『エ・ドール・ホーム』(A Doll Home)即ち『人形家庭』とすべきであつたと『イブセン演説及新書簡集』の編者キルドール(Arne Kildal)氏はいつてゐる。とにかくこの譯で『人形の家』の定本が出來たとともに、舞臺に演ぜられた者としても、初めてイブセン劇の完全に近い者がイギリスに見られることゝなつた。この興行の重なる役割は次の如くであつた。
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ヘルマー………………ハーバート・ウェヤリング(Herbert Waring)
ノラ……………………ジェネット・エチャーチ(Miss Janet Achurch)
ランク…………………チャールス・チャーリントン(Charles Charington)
クログスタッド………ロイス・カールトン(Royce Carlton)
リンデン夫人…………ジャートルード・ウォーデン(Mrs. Gertrude Warde
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