三度言うであろうと予言されました。エスは自分の死をすでに知っていたのです。エスがその国の役人共に引張られて行き、その国の群衆がその後から押しかけ、さて、裁判官がエスをどうしようかと申したときに群集は『十字架にせよ』と叫んでやまなかった。悲しい無知であります。二千年前の人間の無知の悲劇は今にいたるまで絶えませぬ。エスは愛する人々、それ等の人々のためにつかわされたと信ずるその人々から死刑を求められました。その死刑を求めた人々のために、その死刑を求める人類の罪悪のために、やがて近づきせまっている真理を示そうと、――いえ、もうそうした深い人間全体の罪を自分の一身をもってあがないたい一念に燃え立って来ました。森厳な死でした。しかも、彼は一人の死刑囚でした。貧しい人心を惑わす不良青年でした。彼を死刑にする多く群集、多くの学者、多くの政治家は、この厄介な死刑囚の死をどれほど喜んだことでしょう。まずこれで己達も枕が高いと考えたことでしょう。しかし、生涯寂しい孤独に住まわれた神の使命の体現者クリストのその信仰は、万人の胸に生き来る真理でありました。ユダヤの国は亡びました。その頃クリストを死刑にした政治家
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