《かへつ》て之《こ》れ中々《なか/\》の大事《だいじ》決《けつ》して等閑《なほざり》にしがたし。俗人《ぞくじん》を教《をし》ふる功徳《くどく》の甚深《じんしん》広大《くわうだい》にしてしかも其|勢力《せいりよく》の強盛《きやうせい》宏偉《くわうゐ》なるは熊肝《くまのゐ》宝丹《はうたん》の販路《はんろ》広《ひろ》きをもて知《し》らる。洞簫《どうせう》の声《こゑ》は嚠喨《りうりやう》として蘇子《そし》の膓《はらわた》を断《ちぎ》りたれど終《つひ》にトテンチンツトンの上調子《うはでうし》仇《あだ》つぽきに如《し》かず。カント[#「カント」に傍線]の超絶《てうぜつ》哲学《てつがく》や余姚《よよう》の良知説《りやうちせつ》や大《だい》は即《すなは》ち大《だい》なりと雖《いへ》ども臍栗《へそくり》銭《ぜに》を牽摺《ひきず》り出《だ》すの術《じゆつ》は遥《はる》かに生臭《なまぐさ》坊主《ばうず》が南無《なむ》阿弥陀仏《あみだぶつ》に及《およ》ばず。されば大恩《だいおん》教主《けうしゆ》は先《ま》づ阿含《あごん》を説法《せつぱう》し志道軒《しだうけん》は隆々《りゆう/\》と木陰《ぼくいん》を揮回《ふり
前へ 次へ
全27ページ中6ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三文字屋 金平 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング