それに附加せる各趣味を緯とし」に傍点]、依て以て家庭を統一し社会に和合の道を計るは[#「依て以て家庭を統一し社会に和合の道を計るは」に傍点]、真に神の命令と云ってもよいのであろう[#「真に神の命令と云ってもよいのであろう」に傍点]。殊に欧風の晩食を重ずることは深き意味を有するらしい、日中は男女老幼各其為すべき事を為し、一日の終結として用意ある晩食が行われる、それぞれ身分相当なる用意があるであろう、日常のことだけに仰山に失するような事もなかろう、一家必ず服を整え心を改め[#「一家必ず服を整え心を改め」に傍点]、神に感謝の礼を捧げて[#「神に感謝の礼を捧げて」に傍点]食事に就くは、如何に趣味深き事であろう、礼儀と興味と相和して乱れないとせば[#「礼儀と興味と相和して乱れないとせば」に傍点]、聖人の教と雖も是には過ぎない、それが一般の風習と聞いては予は其美風に感嘆せざるを得ない、始めて此の如き美風を起せる人は如何なる大聖なりしか、勿論民族の良質に基くもの多からんも、又必ずや先覚の人あって此美風の養成普及に勉めたに相違あるまい、
栽培宜しきを得れば必ず菓園に美菓を得る如く、以上の如き美風に依て
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