の九時ごろ、あかりもきゆるかと思われるものすごい電光が流れたかと思うと、天地もさける一|大霹靂《だいへきれき》が耳をつんざいた。これをきっかけに、電光は青赤色のほのおをはいてたえまなく光り、岩上に落花するごう[#「ごう」に傍点]然たる落雷のひびき! 天地もために顛倒《てんとう》するかと思われるばかりである。守備をかためた年長組は思わず耳をおおい、地にふし、幼年組は寝台にとびこんで、毛布《もうふ》のなかに頭をつきこんだ。
 戸がわをかためた富士男、ドノバン、バクスターの三人はかわりがわり洞外のようすを知ろうとするのだが、戸をなかば開かないうちに、するどい電光が矢のように流れ、眼をいすくめる、天は一面赤火光にもえ、湖水は天の色を反射《はんしゃ》して、ただ一円のほのおのように見える、十二時ごろ、さすがの電光も雷鳴もようやくおとろえはじめた。
 雷鳴がおさまるとともに風がおこり、しだいに猛威《もうい》を加え、あまつさえ盆《ぼん》をくつがえす豪雨《ごうう》となった。だが、車軸《しゃじく》を流すような豪雨も、小石を吹きとばす強風も、洞のなかではさほどおそろしいことではない。
「雷《かみなり》が洞を
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