クラ号の甲板《かんぱん》にあったもので、このなかにひとりがはいってあがるのである。
「ゆれて落ちるようなことはないだろうか」
とひとりが心配そうにいった。
「それは実験《じっけん》すればわけはない」
とサービスがいって、素早《すばや》くかごのなかにはいった。それはすわって乳のあたりまでかくれた。
「ほれ、だいじょうぶだ」
とサービスが得意《とくい》げにさけんだ。
「でも空にあがっても、おりたくなったときはどうするんだい」
と善金《ゼンキン》がいった。
「それは、かごのふちに一|条《じょう》の糸をつけておく、糸には一個の鉄環《かなわ》をとおしておいて、糸のはしは地上のひとりが持つんだ、おりたくなったら、上から鉄環をはなてば、それがあいずになる」
とバクスターが、ポケットから一個の鉄環を出して一同にみせた。
「じゃすぐあげてください」
と幼年組ははしゃいでさけんだ。
「いや、それは晩まで待ってくれたまえ、まっ昼間にあげては、悪漢どもにわざわざぼくらの居所《いどころ》を知らせるようなものだ」
と富士男が一同のはやる心をおさえた。
夜がきた、南西の風が吹いて、たこをあげるにはか
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