恨《かいこん》の情にせめられた。
「富士男君! ぼくをゆるしてくれたまえ、ぼくはなんといって感謝していいかわからない!」
ドノバンはボロボロと涙をこぼした。
「なんでもないよ、ドノバン君、きみだってぼくの地位に立ったら、ぼくを救ってくれたにちがいない、そんなことはどうでもいいじゃないか、おたがいのことだよ、それよりぼくらは、早くここを去らねばならない」
「どうして?」
とイルコックがいった。
「道々、話すよ、さあゆこう」
と富士男が四人をせきたてた。
かれはことば短かに、海蛇《うみへび》らの凶悪無慚《きょうあくむざん》を語った。
「セルベン号! それはぼくらも知ってる」
と四人が同時にさけんだ。
「そのためにぼくらを救いにきてくれたのだね」
とドノバンが感きわまっていった。
「いま、ぼくらは一|致協力《ちきょうりょく》して大敵にあたらねばならないのだ」
と富士男がいった。
「ではぼくの発砲《はっぽう》をとめたのもそのためだね」
とイルコックがいった。
「そうだ、万一悪漢どもにきこえたらたいへんだからね」
「ああぼくははずかしい、きみはぼくよりも、百|段《だん》もすぐれた
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