った。
「ぼくらの友だちです」
とゴルドンがいった。
「ああかわいそうに、悪漢どもにみつかったらどうしましょう」
とケートは胸に手をおいた。
「ぼくがいこう」
と富士男がいった。
「方法は?」
とゴルドンがいった。
「ぼくはモコウとふたりでボートをあやつって、平和湖を横ぎり、東川をくだってかれらの住まいをたずねよう」
「いつ出発するの」
とサービスがいった。
「一|刻《こく》も時をあらそう危急《ききゅう》のばあいだ。暗くなったらすぐ出発しよう」
「兄さん、ぼくもつれていってください」
と次郎がギラギラ目を光らしていった。
「だめだよ次郎、ボートは六人以上は乗れない、ぼくらは帰りには四人を乗せねばならない」
「兄さん、ぼくは小さいです。はしのほうに乗ります、兄さん、ぼくは危険《きけん》な仕事をしたいのです」
次郎は一同を不幸にした罪のつぐないをしようとしている。こう思うと富士男は、次郎がいとしかった。
「次郎! おまえの気持ちはよくわかる。兄さんはうれしい、だがいまはその時機《じき》ではないよ」
「そうか、だめか!」
と次郎はがっくり首をたれた。
午後八時、ボートの用意
前へ
次へ
全254ページ中163ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
佐藤 紅緑 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング