キンの煮ころばしを食いやがって、ちくしょう!」
「おれたちにゃくさったキャベツと、ぶたのしっぽとくらあ!」
とひたいに刀きずの水夫がいった。
「まっかなトマトが食いてえ!」
とひとりがいう。
「フカフカのパンが食いてえ!」
とひとりがいった。
「上等のブランデーが飲みてえ、あいつらは、たらふく飲んでやがる」
と右の拇指《おやゆび》のない水夫がいった。かれは喧嘩《けんか》が自慢で、もし喧嘩に負けたら、指を一本ずつきりおとすんだと広言した。ところがある日、海蛇《うみへび》と大げんかをやって負けた。かれはみなの前で拇指《おやゆび》を落とした。以来かれは四本指の兄貴とあだ名された。
「おれが談判してやろう」
と海蛇《うみへび》がフラフラとたちあがった。
「うまくやってくれよ親分」
と四本指がニヤリと笑ってたちあがった。
海蛇を先頭に水夫らは、船長室をおそった。
船長は一言のもとにはねつけた。これはかれらが望むところであった。サンフランシスコを出帆《しゅっぱん》してからかれらは、密々《みつみつ》悪い計画をこらした。それはこの船を占領《せんりょう》して、南アメリカおよびアフリカ諸国
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