が散乱していた。
「鳥のやつも大食家だね」
と富士男がいって、その一個を軽く足げにした、と、ゴルドンは、とんだ骨を走って拾った。
「そんな骨をどうするんだい、パイプにでもするのか?」
「富士男君、これをよく見てくれたまえ、陶製《とうせい》のパイプだよ、ぼくらのなかにはたばこをすうものがない、これはきっと悪漢どもがおとしたのだよ」
とゴルドンが声をふるわした。
「左門先生らがおとしたのかもしれないさ」
「いや、かいでみたまえ、たばこのにおいが、まだ新しくのこっている、きんきん一、二日前か、あるいは一、二時間前にここにおとしたものだ」
はたして、ゴルドンの推察《すいさつ》があたっているとすれば、海蛇《うみへび》らの魔手《ましゅ》はすでに、洞の目前にまで伸ばされているのだ。
「きみのいうとおりだ」
パイプをかいでいた富士男が、うわずった声をあげた。
「ゴルドン君、早くひきかえそう、ぼくらは防備の用意をしなければならない」
ふたりは倉皇《そうこう》として引きかえした。
悲愴《ひそう》な決意が洞のなかにながれた、洞内の戸には堅牢《けんろう》なかんぬきがはめられて、戸の内がわには大石が運ばれ、スワといえば、これを積みあげて胸壁《きょうへき》に使用する、戸のわきには窓があけられ、サクラ号から持ってきた、二門の大砲がすえられて、一つは表の川に面する口をまもり、一つは湖畔《こはん》に面する口をまもる。一同には旋条銃《せんじょうじゅう》、連発銃《れんぱつじゅう》、腰刀《こしがたな》がわたされ、各自は分担《ぶんたん》された守備位置についた。
洞の上の岩壁には、見張りが立ち、八方に注視した、洞の表と裏には、各ふたりずつの見張りがおかれた。
一同の悲愴《ひそう》な決意を見るにつけ、ケートは心のなかで泣いた、少年らがいかに胆力《たんりょく》があり、知恵があるとしても、悪漢どものすぐれた体格や、悪にかけては底の知れない悪知恵《わるぢえ》をもったかれらとくらべれば、とうていおよびもつかない差がある。
「こんなとき、イバンスがいてくれたら、どんなに力強いことだろう」
十一月二十七日は、朝からむしむしと暑苦《あつくる》しい日であった。空は重々《ちょうちょう》たる密雲におおわれて、遠くで雷鳴《らいめい》がいんいんとひびき、なんとなく大あらしの前兆《ぜんちょう》をつげる空もようである。夜
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