れんよ」
 とドノバンがいった。
「そうだ、そしていまケートおばさんがとらえられたようになったら……」
 と富士男がいうのを、おしとめるようにしてケートがさけんだ。
「わたしは息のつづくかぎり、けっして悪漢どものとりこにはなりません」
「おばさんがぼくらのことを思ってくださるのは、ありがたいです、ですがいま、みすみすおばさんを悪漢どもの手にまかせることはできない、ね、ゴルドン君、ぼくはおばさんに、この冒険《ぼうけん》は思いとまってもらいたいと思うが……」
「そうだ、おばさんは、ぼくらのお母さんの役目をまもっていただきたいと思います」
 とゴルドンがいった。
「あせることはないんだ他《ほか》に方法はいくらでもある」
 と富士男は考え深そうにいった。
 不安のうちにも平和な日はつづいた。だが少年の心は変化を喜ぶ、むやみに広場で遊ぶことを禁じられ、唯一《ゆいつ》の楽しみである鉄砲で鳥をいることも禁じられている、それは一つの発砲で、悪漢どもに知られたくないからだ、春の日がかがやくのに、くる日もくる日も洞穴のなかで暮らさなければならない。ただときおり、だちょうの森にかけたなわに、えものがかかるのが楽しみの一つであった、一同はたいくつを感じた。
 富士男もゴルドンも一同が無聊《ぶりょう》に苦しむのを見て、いろいろきもをくだいた、だがうっかりしたことをして、悪漢どもが知ったら、たいへんな目にあわねばならない、こう考えると手がでない。
 ある日、富士男はフト一計を案《あん》じた。だがそれはあまりに、とっぴにすぎる計画である、はじめかれは空想だと思ってしりぞけた、けれどそれは、しつこくかれの脳心《のうしん》にこびりついてはなれない、かれは日夜、計画を反覆《はんぷく》した。
「これよりほかに方法はない」
 かれはとうとうかたく決心した。
 かおり高いコーヒーが晩餐《ばんさん》のあとののどをうるおす、雑談にふけったり、本を開いたり、一同は思い思いのすがたで食卓《しょくたく》をかこんでいる、富士男がコトコトと食卓をたたいてたちあがった。一同はかれをあおいだ。
「諸君! ぼくは一つの計画を相談したい」
 と富士男が一同を見まわした。
「ほかでもありません、ぼくらはかつてたこをつくってこれを島にあげて、無人島から救助されることを望んだ、そのとき、サービス君がいったことばを、みなは忘れないでしょ
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