った。
「ぼくらの友だちです」
 とゴルドンがいった。
「ああかわいそうに、悪漢どもにみつかったらどうしましょう」
 とケートは胸に手をおいた。
「ぼくがいこう」
 と富士男がいった。
「方法は?」
 とゴルドンがいった。
「ぼくはモコウとふたりでボートをあやつって、平和湖を横ぎり、東川をくだってかれらの住まいをたずねよう」
「いつ出発するの」
 とサービスがいった。
「一|刻《こく》も時をあらそう危急《ききゅう》のばあいだ。暗くなったらすぐ出発しよう」
「兄さん、ぼくもつれていってください」
 と次郎がギラギラ目を光らしていった。
「だめだよ次郎、ボートは六人以上は乗れない、ぼくらは帰りには四人を乗せねばならない」
「兄さん、ぼくは小さいです。はしのほうに乗ります、兄さん、ぼくは危険《きけん》な仕事をしたいのです」
 次郎は一同を不幸にした罪のつぐないをしようとしている。こう思うと富士男は、次郎がいとしかった。
「次郎! おまえの気持ちはよくわかる。兄さんはうれしい、だがいまはその時機《じき》ではないよ」
「そうか、だめか!」
 と次郎はがっくり首をたれた。
 午後八時、ボートの用意はできた。富士男とモコウはおのおの一個の銃と、ひとふりの腰刀《こしがたな》をおびて、一同に送られた。
「用心してくれたまえ」
「ああ、だいじょうぶだよ」
 天はおぼろにかすんで星の光があわい。黒々ともりあがった林を二つにわって、白銀の川が二勇士をむかえた。風は順風《じゅんぷう》、舵手《だしゅ》は名手、帆は風をはらんでボートは矢のようにすすんだ。またたくまに平和湖に到着した。このとき、風はまったく死にたえて、帆の力をかりることができない。
「風がなくなった」
 とモコウが落胆《らくたん》した。
「ふたりでこげばだいじょうぶだ」
 と富士男がいった。
 湖岸にそってふたりは、力かぎりこぎすすんだ。寂然《じゃくぜん》とした湖、林には鳥の声もきかず、ただ、烈々《れつれつ》たる友情を乗せて水をかくかいの音が、さびしくひびくばかりである。
 ボートは東川の口についた。これからは流れにまかせればいいのだ。
「モコウ、たのむよ」
 と、富士男が小声でいった。モコウはうなずいてさおをあやつった。数町ばかりくだったころ、へさきに立ったモコウが、ころぶようにともの富士男の手をとった。
「富士男さま、火が、火
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