のむ。ぼくもできるだけ協力しよう」
ゴルドンは富士男の手をとってかたくにぎった。ふたりの目には感激《かんげき》の涙が光った。
人生はつねに寸善尺魔《すんぜんしゃくま》である。富士男とゴルドンが、ドノバン一|派《ぱ》に対する善後策《ぜんごさく》を考えだすひまもなく、不幸な分裂《ぶんれつ》が思いがけなく、その晩におこった。
モコウが、晩餐《ばんさん》のあとのコーヒーをくばってまわった。かおり高いコーヒーをうまそうにすすりながら、一同は昼の競技の話でむちゅうだった。とテーブルの一|隅《ぐう》でひたいをあつめてなにごとか話しあっていたドノバンが、とつぜん立ちあがった。
「諸君!」
かれは一座を見まわした。一同はびっくりしてドノバンを見あげた。
「ぼくら四人は考えるところがあり、左門洞に別れをつげたく思います」
ゴルドンの顔はサッと青ざめた。
「きみらはぼくらをすてる気か?」
「いや誤解《ごかい》してくれてはこまる。ぼくらはただしばらく諸君と別居したく思うのだ」
「それはいったいどういうわけなのか」
沈黙家《ちんもくか》のバクスターがいった。
「ぼくらはただ、自由かってな生活がしたいのだ。だが、それは理由のおもなるものではない。淡白《たんぱく》に直言《ちょくげん》すれば、ぼくらは富士男君の治下に立つことが不満でならないのだ」
三人が待ちかまえていたように拍手《はくしゅ》をした。重苦しい空気が室にみなぎった。黙然《もくねん》と腕をくんできいていた富士男はこのとき、しずかに立ちあがった。
「四君がぼくに対して不満であるのはどんな理由からだろう」
「なんの理由もない、ただ、きみには連盟の首領たるべき権利がないと思うのだ。ぼくらはみんな白色人種である。連盟は白色人種が多数だ。それなのに、有色人種が大統領になって采配《さいはい》をふる、次回にはモコウ、すなわち黒人の大統領ができるだろう」
「そうだ、ぼくらは野蛮人《やばんじん》の命令に服することは恥辱《ちじょく》だ」
グロースがドノバンに加勢した。
この暴言《ぼうげん》は温厚《おんこう》のゴルドンをいからした。
「ドノバン、きみはまじめにいってるのか」
「もちろん、ぼくはまじめだ。真実のことをいってるのだ、ぼくら四人は黄色人種の治下に甘んじて忍従《にんじゅう》することはできないのだ」
けわしい空気が室に充満《じゅうま
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