はすきずきだよ、他人の趣味に干渉《かんしょう》してもらいたくないね」
「いやそうじゃない、ぼくはきみと小学校からの友であり同じく野球部員である以上は、きみの堕落《だらく》を見すごすことはできない、ねえ手塚、きみは活動が好きだから見てもさしつかえないというが、好きだからって毒を食べたら死んでしまう、活動はもっとも低級で俗悪で下劣な趣味だ、下劣な趣味にふけると人格が下劣になる、ぼくはそれをいうのだ」
「活動は決して下劣じゃない」と手塚はいった、かれは光一のいったことが充分《じゅうぶん》にわからないのである。
「じゃきみは活動のどういう点がすきか」
「近藤勇《こんどういさみ》は義侠の志士じゃないか」
「そこだ、きみは近藤勇を十分に知りたければ維新の史料を読みたまえ、愚劣な作を愚劣な役者が扮《ふん》した近藤勇を見るよりも、専門家が調べた歴史を読み、しずかに考える方がどれだけ面白いか知れない、活動の小屋は豚小屋のようだ、はきだめのようだ。あんな悪い空気を呼吸するよりも山や野やただしは君の清浄な書斎で本を読むほうがどれだけいいか知れない、活動なんていやしいものを見ずに、もっとりっぱな趣味を楽しむこ
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