の資格である。八百円では足りない、二千円にすれば議員の資格が保てるとは、何と不都合なる原案であるか。理由であるか万一この議会を通過するやうなことがございましては、上は陛下に対して畏多いのみならず、実に人民に対して相済まざることである。念の為老婆心を一言する次第でございます』
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採決の結果、増加案は百二十五対百三十四、即ち九票の差で通過した。この法律は即時実行するので、議員等は皆増額の歳費を受取つて帰つた。「歳費は辞することを得」と、法律は改正されたけれど、まるで忘れられた姿であつた。独り田中正造は忘れることが出来なかつた。弾劾的の理由書を提出して辞退して議会を出た。誹謗は却つて進歩党の中に起つた、『田中の歳費辞退は名聞の為めだ』と。
彼は選挙区へも報告せねばならぬ。彼は選挙区への報告の末尾に於て、次のやうに言うて居る。
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『正造一己の生活に就ては、多年諸君の御厚遇を蒙り、御恩借の金円も少からずして、未だ返納も不仕ものなれば、その歳費辞退の手続を為すの前に於て、一々御協賛を経べきの所、国務多端寸時を争ふの折柄に候へば、遂に御協賛も不得辞退の手
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