む 母の慈愛の涙にぞ 罪のゆるしを求め泣く 御神《みかみ》よ我を逐《お》ふ勿《なか》れ 神よ汝《な》が子を逐ふ勿れ
神の心を摸型《かたとり》の 人てふ旨《むね》を忘れてき 神の御園《みその》の海山を 血しほ流して争へり、
万象眠る夜の床 人に逐《お》はれし人の子の 天地を恨《うら》む力さへ 涙と共に涸《か》れはてて 空《むなし》く急ぐ滅亡を 如何に見玉ふ我神よ、
天つ御国を地《つち》の上《へ》に 建てんと叫ぶ我が舌《した》に 燃ゆれど尽きぬ博愛の 永久の焔《ほのほ》恵みてよ、
熟睡《うまい》の窓に束《つか》の間《ま》の 罪逃がれにし人の子を 虚無の夢路にさゝやきて 聖《きよ》き記憶を呼びさませ、
星の帳《とばり》、雪の牀《ゆか》 くしく宏《おほい》なる準備《そなへ》かな 只《た》だ頽廃の人の心 悲しくも住むに堪へざるを、
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彼の面《おもて》は嬉々《きゝ》と輝きつ、髯《ひげ》の氷打ち払ひて、雪を蹴《け》つて小児《こども》の如く走《は》せぬ、伯母の家は彼《か》の山角の陰に在るなり、
二十四の四
樹《こ》の間《ま》より燈影《ほかげ》の漏るゝ見ゆ、伯母は未《ま》だ寝《い》ねずあるなり、
細き橋を渡り、狭《せま》き崖《がけ》を攀《よ》ぢて篠田は伯母の軒端近く進めり、綿糸《いと》紡《つむ》ぐ車の音|微《かす》かに聞こゆ、彼女《かれ》は此の寒き深夜、老いの身の尚《な》ほ働きつゝあるなり、
「伯母さん」篠田ほホト/\戸を叩《たゝ》けり、
車の音|止《や》みぬ、去《さ》れど何の答《いらへ》もなし、
篠田は再び呼べり「伯母さん」
「誰だエ」と伯母は始めて答《いら》へぬ、
「伯母さん、私です」
「オ、――長二ぢやないか」倉皇《さうくわう》として起ち来《きた》る音して、歪《ゆが》みたる戸は、ガタピシと開きぬ、
「まア――」と驚きたる伯母は、雪に立ちたる月下の篠田を、嬉しげにツクヅクと見上げ見下ろせり「能《よ》く来てお呉れだ、先頃の手紙に、忙しくて当分行くことが出来さうも無いとあつたので、春暖かにでもならねばと思つて居たのに、――嘸《さ》ぞ寒むかつたらう、今年は珍らしい大雪での、さア、お入り、私ヤ又た狐でも呼ぶのかと思つたよ」
「狐と聞違へられでは大変ですネ」と篠田は莞然《くわんぜん》笑《
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