せきあへず
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 というのでした。口にはあまりお出しにならない方ですが、御様子でお悲しいことがよくうかがえるのです。女だったらどんなに心が惹《ひ》かれるかしれない方だと思われました。私は少年時代から優雅な方だと心に沁《し》んで思われた方ですからね、現代の第一の権家はどこであっても、私はそのほうへ行きたくありませんで、大将の御|庇護《ひご》にあずかるのを幸福に感じて今日まで来ました」
 この話を聞いていて、高い見識を備えたというのでもないこうした人さえ薫《かおる》のすぐれたところは見知っているのであると浮舟は思った。
「それでも、光源氏と初めはお言われになったお父様の六条院の御容姿にはかなうまいと思うがねえ。まあ何にもせよ現在の世の中でほめたたえられる方というのは六条院の御子孫に限られてますね。まず左大臣」
「そうです。御容貌がりっぱでおきれいで、いかにも重臣らしい貫禄《かんろく》がおありになりますよ。兵部卿《ひょうぶきょう》の宮は御美貌の点では最優秀な方だと思えますね。女だったら私もあの方の女房になる望みを持つことでしょう」
 などと今の世間を多く知らぬ叔母《お
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