を曰《い》ふと。そこで右衛門督朝忠に勅して、検非違使をして捜《さが》し求めしめ、又延光をして満仲《みつなか》、義忠、春実《はるざね》等をして同じく伺《うかが》ひ求めしむといふことが、扶桑略記の巻二十六に出てゐる。馬鹿※[#二の字点、1−2−22]※[#二の字点、1−2−22]《ばか/\》しいことだが、此の様な事もあつたかと思ふと、何程都の人※[#二の字点、1−2−22]が将門に魘《おび》えたかといふことが窺知《うかゞひし》られる。菅公に魘《おび》え、将門に魘え、天神、明神は沢山に世に祀《まつ》られてゐる。此中に考ふべきことが有るのではあるまいか。こんな事は余談だ、余り言はずとも「春は紺より水浅黄よし」だ。
[#地から1字上げ](大正九年四月)
底本:「筑摩現代文学大系3 幸田露伴 樋口一葉集」筑摩書房
1978(昭和53)年1月15日初版第1刷発行
1984(昭和59)年10月1日初版第3刷発行
入力:志田火路司
校正:林 幸雄
2002年1月25日公開
2009年9月17日修正
青空文庫作成ファイル:
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