あきんど》にて、風寒き北海道にては、鰊《にしん》の鱗《うろこ》怪しく光るどんざ布子《ぬのこ》、浪《なみ》さやぐ佐渡《さど》には、色も定かならぬさき織を着て漁師共の眼《め》にあらわれ玉いけるが業平侯爵《なりひらこうしゃく》も程《ほど》経て踵《かかと》小さき靴をはき、派手なリボンの飾りまばゆき服を召されたるに値偶《ちぐう》せられけるよし。是《これ》皆|一切経《いっさいきょう》にもなき一体の風流仏、珠運が刻みたると同じ者の千差万別の化身《けしん》にして少しも相違なければ、拝みし者|誰《たれ》も彼も一代の守本尊《まもりほんぞん》となし、信仰|篤《あつ》き時は子孫|繁昌《はんじょう》家内|和睦《わぼく》、御利益《ごりやく》疑《うたがい》なく仮令《たとい》少々御本尊様を恨めしき様《よう》に思う事ありとも珠運の如くそれを火上の氷となす者には素《もと》より持前《もちまえ》の仏性《ほとけしょう》を出《いだ》し玉いて愛護の御誓願《ごせいがん》空《むな》しからず、若《もし》又《また》過《あやま》ってマホメット宗《しゅう》モルモン宗《しゅう》なぞの木偶《もくぐう》土像などに近づく時は現当二世《げんとうにせ》の
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