淡島寒月氏
幸田露伴
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)當推量《あてずゐりやう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)血脈|相牽《あひひ》く
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)中※[#二の字点、1−2−22]廣く渉られ
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)樂み/\影寫してゐられた。
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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寒月氏は今年七十歳を以て二月廿三日に永逝した。本間久雄氏から、予の知るところの寒月氏を傳へて呉れと依頼を受けたので、ほんとにたゞ予の知れる限りの寒月氏――予の知らぬ他の方面の寒月氏も定めし多いだらうが、それに就ての臆測や聞取りなぞを除いて――を有りのまゝに思出づるまゝに記す。人の事をしるすに、當推量《あてずゐりやう》や嘘を交《ま》ぜて、よい加減に捏上《こねあ》げるのは、予の好かぬことである。だから以下にしるすことは、予自身の目賭した事か、さもなければ予が氏より直接に聞いたこ
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