侠客の種類
幸田露伴

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)二本指《にほんざし》

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)其の特性|気質《かたぎ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、底本のページと行数)
(例)色※[#「※」は二の字点、第3水準1−2−22、198−1]な

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)どし/\
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 侠客と一口に言つても徳川時代の初期に起つた侠客と其の以後に出た侠客とは、名は同じ侠客でも余程様子が違つて居るやうである。初期のは市人の中の気慨のある者か或は武士の仕官の途に断念した者などが、武士の跋扈に反抗して之を膺懲し或は之に対抗する考へから起つたのであるらしいが、夫から以後、即ち天明前後から天保あたりへ懸けての侠客といふものは多くは博徒のやうな類である。即ち之を分類すれば、徳川初期のは強い圧迫に対する強い反抗の体現であつて、其の物の本当の意味からすれば、強い者に当る必要上真実に強きものたるを主とするは勿論であるが、真実に於ては寧ろ啻に強
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