蒲生氏郷
幸田露伴
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)嘴《くちばし》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)微物凡物も亦|是《かく》の如く
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「てへん+止」、第3水準1−84−71]
[#…]:返り点
(例)老来不[#レ]識
[#(…)]:訓点送り仮名
(例)今一[#(ト)]勝負
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)又飛騨守殿も少も/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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大きい者や強い者ばかりが必ずしも人の注意に値する訳では無い。小さい弱い平々凡々の者も中々の仕事をする。蚊の嘴《くちばし》といえば云うにも足らぬものだが、淀川両岸に多いアノフェレスという蚊の嘴は、其昔其川の傍の山崎村に棲《す》んで居た一夜庵《いちやあん》の宗鑑の膚《はだえ》を螫《さ》して、そして宗鑑に瘧《おこり》をわずらわせ、それより近衛《このえ》公をして、宗鑑が姿を見れば
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