七国《しちこく》の故事を論ぜるの語なり。子澄退いて斉泰《せいたい》と議す。泰|曰《いわ》く、燕《えん》は重兵《ちょうへい》を握り、且《かつ》素《もと》より大志あり、当《まさ》に先《ま》ず之《これ》を削るべしと。子澄が曰く、然《しか》らず、燕は予《あらかじ》め備うること久しければ、卒《にわか》に図り難し。宜《よろ》しく先ず周《しゅう》を取り、燕の手足《しゅそく》を剪《き》り、而《しこう》して後燕図るべしと。乃《すなわ》ち曹国公《そうこくこう》李景隆《りけいりゅう》に命じ、兵を調して猝《にわか》に河南に至り、周王|※[#「木+肅」、UCS−6A5A、279−3]《しゅく》及び其《そ》の世子《せいし》妃嬪《ひひん》を執《とら》え、爵を削りて庶人《しょじん》となし、之《これ》を雲南《うんなん》に遷《うつ》しぬ。※[#「木+肅」、UCS−6A5A、279−3]は燕王の同母弟なるを以《もっ》て、帝もかねて之を疑い憚《はばか》り、※[#「木+肅」、UCS−6A5A、279−3]も亦《また》異謀あり、※[#「木+肅」、UCS−6A5A、279−4]の長史《ちょうし》王翰《おうかん》というもの、数々|諫
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