が如く、実の如く虚の如く、縹渺有趣《ひょうびょうゆうしゅ》の文を為《な》す。永楽亭《えいらくてい》楡木川《ゆぼくせん》の崩《ほう》を記する、鬼母《きぼ》の一剣を受くとなし、又|野史《やし》を引いて、永楽帝|楡木川《ゆぼくせん》に至る、野獣の突至するに遇《あ》い、之《これ》を搏《ばく》す、攫《かく》されてたゞ半躯《はんく》を剰《あま》すのみ、※[#「歹+僉」、第4水準2−78−2]《れん》して而《しか》して匠を殺す、其《その》迹《あと》を泯滅《びんめつ》する所以《ゆえん》なりと。野獣か、鬼母か、吾《われ》之《これ》を知らず。西人《せいじん》或《あるい》は帝|胡人《こじん》の殺すところとなると為す。然《しか》らば則《すなわ》ち帝|丘福《きゅうふく》を尤《とが》めて、而して福と其《その》死を同じゅうする也。帝勇武を負い、毎戦|危《あやう》きを冒《おか》す、楡木川《ゆぼくせん》の崩、蓋《けだ》し明史《みんし》諱《い》みて書せざるある也。

 数《すう》か、数か。紅篋《こうきょう》の度牒《どちょう》、袈裟《けさ》、剃刀《ていとう》、噫《ああ》又何ぞ奇なるや。道士の霊夢、御溝《ぎょこう》の片舟《へ
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