》てす。四篇の文、雄大にして荘厳、其《その》大旨、義理の正に拠《よ》って、情勢の帰《き》を斥《しりぞ》け、王道を尚《たっと》び、覇略を卑み、天下を全有して、海内《かいだい》に号令する者と雖《いえど》も、其《その》道に於《おい》てせざる者は、目《もく》して、正統の君主とすべからずとするに在《あ》り。秦《しん》や隋《ずい》や王※[#「くさかんむり/奔」、UCS−83BE、390−3]《おうもう》や、晋宋《しんそう》・斉梁《せいりょう》や、則天《そくてん》や符堅《ふけん》や、此《これ》皆これをして天下を有せしむる数百年に踰《こ》ゆと雖《いえど》も、正統とす可《べ》からずと為《な》す。孝孺の言に曰く、君たるに貴ぶ所の者は、豈《あに》其の天下を有するを謂《い》わんやと。又曰く、天下を有して而《しか》も正統に比す可からざる者三、簒臣《さんしん》也《なり》、賊后《ぞくこう》也、夷狄《いてき》也と。孝孺|篇後《へんご》に書して曰く、予が此《この》文を為《つく》りてより、未《いま》だ嘗《かつ》て出して以て人に示さず。人の此《この》言を聞く者、咸《みな》予を※[#「此/言」、第4水準2−88−57]笑《し
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