んや 老《おい》の会臨《かいりん》するを。
志士は 景光を惜《おし》む、
麓《ふもと》に登れば 已《すで》に岑《みね》を知る。
毎《つね》に聞く 前世《ぜんせい》の事、
頗《すこぶ》る見る 古人の心。
逝《ゆ》く者 まことに息《やす》まず、
将来 誰《たれ》か今に嗣《つ》がむ。
百年 当《まさ》に成る有るべし、
泯滅《びんめつ》 寧《なん》ぞ欽《うらや》むに足らんや。
毎《つね》に憐《あわれ》む 伯牙《はくが》の陋《ろう》にして、
鍾《しょう》 死して 其《その》琴《こと》を破れるを。
自《みずか》ら得《う》るあらば 苟《まこと》に伝ふるに堪へむ、
何ぞ必ずしも 知音《ちいん》を求めんや。
俯《ふ》しては観《み》る 水中の※[#「條」の「木」に代えて「魚」、UCS−9BC8、382−9]《こうお》[#「※[#「條」の「木」に代えて「魚」、UCS−9BC8、382−9]」は底本では「※[#「條」の「木」に代えて「黒の旧字」、第3水準1−14−46]」]、
仰いでは覩《み》る 雲際《うんさい》の禽《とり》。
真楽《しんらく》 吾《われ》 隠さず、
欣然《きんぜん》として 煩襟《はんきん》を
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