将これを危《あやぶ》みて言《ものい》えども、王|聴《き》かず。次《つ》いで蕭県《しょうけん》を略し、淮河《わいか》の守兵を破る。四月平安|小河《しょうか》に営し、燕兵|河北《かほく》に拠《よ》る。総兵《そうへい》何福《かふく》奮撃して、燕将|陳文《ちんぶん》を斬《き》り、平安勇戦して燕将|王真《おうしん》を囲む。真《しん》身に十余|創《そう》を被《こうむ》り、自ら馬上に刎《くびは》ぬ。安《あん》いよいよ逼《せま》りて、燕王に北坂《ほくはん》に遇《あ》う。安の槊《ほこ》ほとんど王に及ぶ。燕の番騎指揮《ばんきしき》王騏《おうき》、馬を躍らせて突入し、王わずかに脱するを得たり。燕将|張武《ちょうぶ》悪戦して敵を却《しりぞ》くと雖《いえど》も、燕軍遂に克《か》たず。是《ここ》に於て南軍は橋南《きょうなん》に駐《とど》まり、北軍は橋北に駐まり、相《あい》持《じ》するもの数日、南軍|糧《かて》尽きて、蕪《ぶ》を採って食う。燕王曰く、南軍|飢《う》えたり、更に一二日にして糧《かて》やゝ集まらば破り易からずと。乃《すなわ》ち兵千余を留《とど》めて橋を守らしめ、潜《ひそか》に軍を移し、夜半に兵を渡らしめ
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