能文の大儒にして、盧植、鄭玄皆其の徒なり。
○三尺の局を、戦闘の場と為す。士卒を陳し聚めて、両敵相当る。
 三尺の局、今に比すれば大に過ぐ。又惟大概をいふのみ、深く怪むに足らず。
○怯者は功無く、貪者は先づ亡ぶ。
 怯者は惟守る、守れば則ち足らず。貪者は必ず昧し、昧ければ則ち禍を惹く。二句実に不磨の金言なり。
○先づ四道に拠り、角を保ち傍に依り、辺に縁《よ》り列を遮り、往※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、114−5]相望む。
 四道は四方と云はんが如し。碁局は四分すべき形勢有り、黒白各先づ四道に拠るをいふ。保角依傍は前に出づ。辺に縁るは字の如し、列を遮るは敵の列を遮る也。往※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、114−7]相望むは、敵と我と往※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、114−8]相対して同一形勢を取り、子と子と相望むが如き状あるをいふ。相莅むにはあらず、相望見する也。往※[#「※」は二の字点(踊り字)、第3水1−2−22、114−9]相望むの一句四字、無限の情趣有り。
○離※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区
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