点番号1−2−22、114−10]たる馬目、連※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、114−10]たる雁行。※[#「※」は「あしへん+卓」、第4水準2−89−35、読みは「たく」、114−10]度間置し、徘徊中央す。
 離※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、114−11]連※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、114−11]の二句、棊子の布置羅列の状をいふ。※[#「※」は「あしへん+卓」、第4水準2−89−35、114−11]度間置は棊子の相接せずして相助くるをいひ、徘徊中央は棊子のたゞ雌伏するのみならず、却て雄飛せんとするをいふ。二句妙致あり。
○死卒を収取し、相迎へ使《し》むる無し。食む当《べ》くして食まざれば、反つて其|殃《わざはひ》を受く。
 当に食む可きを食まざれば、敵の死者復活きんとす。天の与ふるを取らざれば、反つて其殃を受く、この古語を一転して用ゐたり。
○雑乱交錯し、更に相度越す。
 雑乱は旗幟紛※[#「※」は二の字点(踊り字)、面区点番号1−2−22、114−17]として彼我酣闘する也。交錯は敵反つて吾が後を襲ひ、我反つて敵の後に出づるが如きをいふ也。度越は河を渡り塹を奪ひ、吶喊叱咤して戦ふ也。交相の二字、甚だ力有り、奮戦力闘の状、睹るが如きを覚ゆ。
○規を守る固からざれば、唐突する所と為る。
 陣営は厳密、まさに周亜父細柳の如くなるべし、然らずんば敵の猛將の奇襲突破するところとならん。
○深く入りて地を貪れば、士卒を殺亡す。
 長駆深入すれば、一旦糧竭き変生ずるの時、多く士卒を亡ふをいふ。
○狂攘して相救へば、先後并に没す。
 戦の危機は多し、就中吾が一支軍を救はんとする時、最も危機多し。救ひ得て善ければ勝ち、救ひ得ざれば乱る。狂攘して相救へば、前軍後軍、相倶に覆没す。将軍深謀妙計無かる可からざるの処たり。
○功を計りて相除し、時を以て早く訖る。
 功を計るは戦の応に終るべきを考ふる也、相除するは其の終を令《よ》くすることを為す也。時を以ては其の当に然るべきの時を以て也。早く訖るは智者之を能くす、昧者は終るところを知らず、此を以て其の訖るや彼の訖るところとなつて纔に訖る、悲む可き也。
○事留まれば変生ず、棊を拾ふ疾《すみや》かならんことを欲す。
 事遅留すれば変意外に生ず、故に疑似する
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