り]
 聞くものは耳を澄まして袖《そで》を合せたのである。
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――有験《うげん》の高僧貴僧百人、神泉苑《しんせんえん》の池にて、仁王経《にんおうきょう》を講《こう》じ奉《たてまつ》らば、八大竜王《はちだいりゅうおう》も慈現《じげん》納受《のうじゅ》たれ給《たま》ふべし、と申しければ、百人の高僧貴僧を請《しょう》じ、仁王経を講ぜられしかども、其験《そのしるし》もなかりけり。又|或人《あるひと》申しけるは、容顔《ようがん》美麗《びれい》なる白拍子《しらびょうし》を、百人めして、――
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「御坊様《ごぼうさま》。」
 今は疑ふべき心も失《う》せて、御坊様、と呼びつゝ、紫玉が暗中《あんちゅう》を透《すか》して、声する方《かた》に、縋《すが》るやうに寄ると思ふと、
「燈《ひ》を消せ。」
 と、蕭《さ》びたが力ある声して言つた。
「提灯《ちょうちん》を……」
「は、」と、返事と息を、はツはツとはずませながら、一度|消損《けしそこ》ねて、慌《あわただ》しげに吹消《ふきけ》した。玉野の手は震へて居た。
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――百人の白拍子をして舞はせられ
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