もて》正しく。……
僧は合掌して聞くのであった。
そして、その人、その時、はた明を待つまでもない、この美人《たおやめ》の手、一たび我に触れなば、立処《たちどころ》にその唄を聞き得るであろうと思った。
四十五
美人《たおやめ》は更《あらた》めて、
「貴僧《あなた》、この事を、ただ貴僧の胸ばかりに、よくお留め遊ばして、おっしゃってはなりません。これは露ほども明かさずに、今の処、明さんを、よしなに慰めて上げて下さいまし。
日頃のお苦《くるし》みに疲れてか、まあ、すやすやとよく寝て、」
と、するすると寄った、姿が崩れて、ハタと両手を畳につくと、麻の薫《かおり》がはっとして、肩に萌黄《もえぎ》の姿つめたく、薄紅《うすくれない》が布目を透いて、
「明《あき》ちゃん……」
と崩るるごとく、片頬《かたほ》を横に接《つ》けんとしたが、屹《きっ》と立退《たちの》いて、袖を合せた。
僧を見る目に涙が宿って、
「それではお暇《いとま》いたしましょう。稚《おさな》い事を、貴僧《あなた》にはお恥かしいが、明さんに一式のお愛相《あいそ》に、手毬をついて見せましょう、あの……」
と掛
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