水《みづ》が曲《まが》る、又《また》一《ひと》つ峯《みね》が抽出《ぬきで》て居《を》る。あの空《そら》が紫立《むらさきだ》つてほんのり桃色《もゝいろ》に薄《うす》く見《み》えべい。――麻袋《あさふくろ》には昼飯《ひるめし》の握《にぎ》つた奴《やつ》、余《あま》るほど詰《つ》めて置《お》く、ちやうど僥幸《さいはひ》、山《やま》の芋《いも》を穿《ほ》つて横噛《よこかじ》りでも一日《いちにち》二日《ふつか》は凌《しの》げるだ。遣《や》りからかせ、さあ、ござい。少《わか》い人《ひと》。……お前様《めえさま》、其《そ》の采《さい》を拾《ひろ》はつしやい。御坊《ごばう》、』
『乗《の》りかゝつた船《ふね》ぢや、私《わし》も行《ゆ》く。……』
で、連立《つれだ》つて、天守《てんしゆ》の森《もり》の外《そと》まはり、壕《ほり》を越《こ》えて、少時《しばらく》、石垣《いしがき》の上《うへ》を歩行《ある》いた。
爾時《そのとき》、十八九人《じふはつくにん》の同勢《どうぜい》が、ぞろ/\と野《の》を越《こ》えて駆《か》けて来《き》た。中《なか》には巡査《じゆんさ》も交《まじ》つたが、早《は》や壕《ほり》
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