》に、雲《くも》の簇《むら》がるやうな奥《おく》に、祠《ほこら》の狐格子《きつねがうし》を洩《も》れる灯《ひ》が、細雨《こさめ》に浸《にじ》むだのを見《み》ると――猶予《ためら》はず其方《そちら》へ向《む》いて、一度《いちど》斜《はす》に成《な》つて折曲《をれまが》つて列《つらな》り行《ゆ》く。
 其時《そのとき》気《き》に懸《かゝ》つたのは、祠《ほこら》の前《まへ》を階《きぎはし》から廻廊《くわいらう》の下《した》へ懸《か》けて、たゞ三《み》ツ五《いつ》ツではない、七《なゝ》八《や》ツ、それ/\十《と》ウにも余《あま》る物《もの》の形《かたち》が、孰《どれ》も土器色《かはらけいろ》の法衣《ころも》に、黒《くろ》い色《いろ》の袈裟《けさ》かけた、恰《あだか》も空摸様《そらもやう》のやうなのが、高《たか》い坊主《ばうず》と低《ひく》い坊主《ばうず》と大《おほき》な坊主《ばうず》と小《ちひ》さな坊主《ばうず》と、胡乱々々《うろ/\》動《うご》いて、むら/\居《ゐ》る……
『やあ、お浦《うら》を嬲《なぶ》る、』
と前《まへ》へ行《ゆ》く案山子《かゝし》どもを、横《よこ》に掠《かす》めて、一息
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