きのこ》は、松《まつ》美《うつく》しく草《くさ》淺《あさ》き所《ところ》にあれば子供《こども》にも獲《え》らるべし。(つくしん坊《ばう》めつかりこ)ぐらゐな子供《こども》に、何處《どこ》だつて松茸《まつたけ》は取《と》れはしない。一體《いつたい》童謠《どうえう》を收録《しうろく》するのに、なまりを正《たゞ》したり、當推量《あてずゐりやう》の註釋《ちうしやく》は大《だい》の禁物《きんもつ》なり。
 鬼《おに》ごつこの時《とき》、鬼《おに》ぎめの唄《うた》に、……(あてこに、こてこに、いけ[#「いけ」に丸傍点]の縁《ふち》に茶碗《ちやわん》を置《お》いて、危《あぶな》いことぢやつた。)同《おな》じ民謠集《みんえうしふ》に、此《こ》のいけ[#「いけ」に丸傍点]に(池《いけ》)の字《じ》を當《あ》ててあり。あの土地《とち》にて言《い》ふいけ[#「いけ」に丸傍点]は井戸《ゐど》なり。井戸《ゐど》のふちに茶碗《ちやわん》ゆゑ、けんのんなるべし。(かしや[#「かしや」に丸傍点]、かなざもの[#「かなざもの」に丸傍点]、しんたてまつる[#「しんたてまつる」に丸傍点]云々《うんぬん》)これは北海道《ほく
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