寸情風土記
泉鏡花

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)山吹《やまぶき》

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)五|厘《りん》【「記号について」に追加】

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、底本のページと行数)
(例)※[#非0213外字:「姉」の正字、第3水準1−85−57の木へんの代わりに女へん、501−11]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)のそり/\と
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 金澤《かなざは》の正月《しやうぐわつ》は、お買初《かひぞ》め、お買初《かひぞ》めの景氣《けいき》の好《い》い聲《こゑ》にてはじまる。初買《はつがひ》なり。二日《ふつか》の夜中《よなか》より出《いで》立《た》つ。元日《ぐわんじつ》は何《なん》の商賣《しやうばい》も皆《みな》休《やす》む。初買《はつがひ》の時《とき》、競《きそ》つて紅鯛《べにだひ》とて縁起《えんぎ》ものを買《か》ふ。笹《さゝ》の葉《は》に、大判《おほばん》、
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