にするでしょう、泳《およぎ》を知らないから、)
と言って苦笑《にがわらい》をしなさったっけ……それが真実《まこと》になったのでございます。
どうしたことか、この恋煩《こいわずらい》に限っては、傍《はた》のものは、あはあは、笑って見殺しにいたします。
私《わたくし》はじめ串戯《じょうだん》半分、ひやかしかたがた、今日《こんにち》は例のは如何《いかが》で、などと申したでございます。
これは、貴下《あなた》でもさようでありましょう。」
されば何んと答えよう、喫《の》んでた煙草《たばこ》の灰をはたいて、
「ですがな……どうも、これだけは真面目《まじめ》に介抱《かいほう》は出来かねます。娘が煩《わずら》うのだと、乳母《うば》が始末をする仕来《しきた》りになっておりますがね、男のは困りますな。
そんな時、その川で沙魚《はぜ》でも釣っていたかったですね。」
「ははは、これはおかしい。」
と出家は興《きょう》ありげにハタと手を打つ。
十四
「これはおかしい、釣《つり》といえば丁《ちょう》どその時、向う詰《づめ》の岸に踞《しゃが》んで、ト釣っていたものがあったでござる。橋
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