医者も蒼《あお》くなって、騒いだが、神の扶《たす》けかようよう生命《いのち》は取留《とりと》まり、三日ばかりで血も留ったが、とうとう腰が抜けた、もとより不具《かたわ》。
 これが引摺《ひきず》って、足を見ながら情なそうな顔をする。蟋蟀《きりぎりす》が※[#「夕」に「ふしづくり」下に「手」 178−9]《も》がれた脚《あし》を口に銜《くわ》えて泣くのを見るよう、目もあてられたものではない。
 しまいには泣出すと、外聞もあり、少焦《すこじれ》で、医者は恐《おそろ》しい顔をして睨《にら》みつけると、あわれがって抱きあげる娘の胸に顔をかくして縋《すが》るさまに、年来随分《としごろずいぶん》と人を手にかけた医者も我《が》を折って腕組《うでぐみ》をして、はッという溜息《ためいき》。
 やがて父親《てておや》が迎《むかえ》にござった、因果《いんが》と断念《あきら》めて、別に不足はいわなんだが、何分|小児《こども》が娘の手を放れようといわぬので、医者も幸《さいわい》、言訳《いいわけ》かたがた、親兄《おやあに》の心をなだめるため、そこで娘に小児《こども》を家《うち》まで送らせることにした。
 送って
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