が白んで来ました。
 それなの、あなた、ただいま行いました、小さなこの人形たちは。」
 掌《たなそこ》にのせた紙入形を凝《じっ》とためて、
「人数《にんず》が足りないかしら、もっとも九ツ坊さんと来りゃあ、恋も呪《のろい》もしますからね。」
 で、口を手つだわせて、手さきで扱《しご》いて、懐紙《ふところがみ》を、蚕《かいこ》を引出すように数を殖《ふや》すと、九つのあたまが揃って、黒い扉の鍵穴へ、手足がもじゃ、もじゃ、と動く。……信也氏は脇の下をすくめて、身ぶるいした。
「だ……」
 がっかりして、
「めね……ちょっと……お待ちなさいよ。」
 信也氏が口をきく間もなく、
「私じゃ術がきかないんだよ。こんな時だ。」
 何をする。
 風呂敷を解いた。見ると、絵筒である。お妻が蓋《ふた》を抜きながら、
「雪おんなさん。」
「…………」
「あなたがいい、おばけだから、出入りは自由だわ。」
 するすると早や絹地を、たちまち、水晶の五輪塔を、月影の梨の花が包んだような、扉に白く絵の姿を半ば映した。
「そりゃ、いけなかろう、お妻さん。」
 鴾の作品の扱い方をとがめたのではない、お妻の迷《まよい》をいたわ
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