ツて。何《なん》とおいひでも肯分《きゝわ》けないものだから母様《おつかさん》が、
(それでは林《はやし》へでも、裏《うら》の田畝《たんぼ》へでも行《い》つて見《み》ておいで。何故《なぜ》ツて天上《てんじよう》に遊《あそ》んで居《ゐ》るんだから籠《かご》の中《なか》に居《ゐ》ないのかも知《し》れないよ)
それから私《わたし》、あの、梅林《ばいりん》のある処《ところ》に参《まゐ》りました。
あの桜山《さくらやま》と、桃谷《もゝだに》と、菖蒲《あやめ》の池《いけ》とある処《ところ》で。
しかし其《それ》は唯《たゞ》青葉《あをば》ばかりで菖蒲《あやめ》の短《みじか》いのがむらがつてゝ、水《みづ》の色《いろ》の黒《くろ》い時分《じぶん》、此処《こゝ》へも二日《ふつか》、三日《みつか》続《つゞ》けて行《ゆ》きましたつけ、小鳥《ことり》は見《み》つからなかつた。烏《からす》が沢山《たんと》居《ゐ》た。あれが、かあ/\鳴《な》いて一《ひと》しきりして静《しづ》まると其姿《そのすがた》の見《み》えなくなるのは、大方《おほかた》其翼《そのはね》で、日《ひ》の光《ひかり》をかくしてしまふのでしやう、大《おほ
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