そんならわけはない。
小屋《こや》を出《で》て二|町《ちやう》ばかり行《ゆ》くと直《すぐ》坂《さか》があつて、坂《さか》の下口《おりくち》に一軒《いつけん》鳥屋《とりや》があるので、樹蔭《こかげ》も何《なん》にもない、お天気《てんき》のいゝ時《とき》あかるい/\小《ちひ》さな店《みせ》で、町家《まちや》の軒《のき》ならびにあつた。鸚鵡《あうむ》なんざ、くるツとした露《つゆ》のたりさうな、小《ちい》[#「ちい」はママ]さな眼《め》で、あれで瞳《ひとみ》が動《うご》きますね。毎日《まいにち》々々行《い》つちやあ立《た》つて居《ゐ》たので、しまひにやあ見知顔《みしりがほ》で私《わたし》の顔《かほ》を見《み》て頷《うなづ》くやうでしたつけ、でもそれぢやあない。
駒《こま》はね、丈《たけ》の高《たか》い、籠《かご》ん中《なか》を下《した》から上《うへ》へ飛《と》んで、すがつて、ひよいと逆《さかさ》に腹《はら》を見《み》せて熟柿《ぢくし》の落《おつ》こちるやうにぽたりとおりて餌《え》をつゝいて、私《わたし》をばかまひつけない、ちつとも気《き》に懸《か》けてくれやうとはしないで[#「いで」に「マ
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