巻いた赤色プロレタリアの××からも、第二、世界経済恐慌の襲撃からも、……しだいにかの女の吹鳴らすラッパの音韻の沈衰して行くままに。
5 夜が明けて僕は卓上の電話の受話器を妻の寝室に通じた。
「――お早う。昨夜はよく寝られたかね。」
「――……君のいない、……おかげで、あたし睡眠を充分とることが出来たわ。」
底本:「吉行エイスケ作品集」文園社
1997(平成9)年7月10日初版発行
1997(平成9)年7月18日第2刷発行
底本の親本:「吉行エイスケ作品集※[#ローマ数字2、1−13−22] 飛行機から墜ちるまで」冬樹社
1977(昭和52)年11月30日第1刷発行
※底本には「吉行エイスケの作品はすべて旧字旧仮名で発表されているが、新字新仮名に改めて刻んだ。このさい次の語句を、平仮名表記に改め、難読文字にルビを付した。『し乍ら→しながら』『亦→また』『尚→なお』『儘→まま』『…の様→…のよう』『…する側→…するかたわら』『流石→さすが』。また×印等は当時の検閲、あるいは著者自身による伏字である。」との注記がある。
入力:霊鷲類子、宮脇叔恵
校正:大野晋
2000年6月7日公開
2009年3月27日修正
青空文庫作成ファイル:
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