鳳仙花《ほうせんか》を引っこぬいてしまってそのあとへ大根の種を蒔《ま》いてみた。二、三日するともう双葉が出て来た。あの小さな黒の粒の中からこんな美しいエメラルドのようなものが出て来た。
私はもう本ばかり読むのはやめてしばらく大根でも作ってみようかと考えている。
[#地から1字上げ](大正九年十一月『改造』)
底本:「寺田寅彦全集 第七巻」岩波書店
1997(平成9)年6月5日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:Nana ohbe
校正:浅原庸子
2004年12月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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