井の上に水道を引いてその口から噴き出す水を天井一面に散乱させる。すると小さい飛沫になって落ちる水は寒い空気に触れ、皆|氷柱《つらら》の形になって天井および中段の横木から垂れ遂には地上に達する。かくして出来た大きな氷柱を片端から折り取って氷蔵へ収め、夏まで貯蔵するのである。この法でやれば一夜に九尺四方くらいな氷塊が出来るそうな。但し気温が摂氏零度以下数度に降らねば駄目な事は勿論である。
[#地から1字上げ](明治四十一年五月十八日『東京朝日新聞』)
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         八十

      水の消毒

 空気中に電気の火花を通ずる時一種の臭気を帯びたるいわゆるオゾン瓦斯《ガス》が出来る。この瓦斯は酸素の変形したもので非常に酸化力が強く、黴菌類はこれに遇えば皆死んでしまう。この性質を利用して飲料水等の殺菌消毒をする法が近年欧洲諸国で行われている。オゾンを作るには交番電流を特別な変圧器に通じ、この器内に生じた瓦斯を給水管中に吸い込ませるようにしてある。この法で消毒すればどんなバクテリアでも残らず死んでしまう、そして蒸餾水などとはちがって水の固有の味が少しも変らぬという利益がある
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