発表したところによれば、この溶液を熱して沸騰しつつある時に用いる方がよいそうである。
[#地から1字上げ](明治四十一年五月六日『東京朝日新聞』)
[#改ページ]
七十七
人を載せる紙鳶《たこ》
昔鎮西八郎が大紙鳶にその子を縛して伊豆の島から空に放ったというのは馬琴の才筆によって面白く描かれているが、ここに述べるのは昨年の暮北米での話である。大きな紙鳶に中尉某を載せて地上百六十八フィートの処まで上げたそうである。この紙鳶は蝶の羽根を立てたような形の小さい紙鳶を三千四百個ほど組合せて風を受ける表面を多くしたものである。
回々教《フイフイきょう》と新月形
回教では新月形を記章とする事あたかも基督《キリスト》教の十字架のごとくである。これは無論三日月に象《かたど》ったものだろうと思われていたが、だんだん調べてみるとそうでない。動物の爪あるいは牙で作った護身符から起った形だという事が知れた。始めは二つの爪あるいは牙の根元を糸や金具で縛ったものを用いていたが、後には一片の彫刻物で代用するようになり、後には真中の継目の痕も略されて新月形になっ
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