以上は連作というものの初期の作例であるが、その後の発達の歴史がどうであったか自分はまだそれについて充分に調べてみるだけの余裕がない。しかし座右にある最近の「アララギ」や「潮音《ちょうおん》」その他を手当たり次第に見ていると、中にはほとんど前記の第一例に近いものも、第二例に近いものも、また第三例に近いものもあるが、また中には形式においてずっと変わった特徴の見られるものも少なくはない。たとえば、身近い人の臨終を題としたもので病中の状況から最期の光景、葬列、墓参というふうに事件を進行的に順々に詠《よ》んで行ってあるが、その中に一見それらの事件とは直接なんら論理的に必然な交渉はないような景物を詠んだ歌をいわゆるモンタージュ的に插入《そうにゅう》したものがある。またこれとは逆にある一つの光景を子規の第一例もしくは第二例のように取り扱っているうちに、その光景とは一見直接には関係しない純主観の一首を漢詩の転句とでもいったふうにモンタージュとして嵌入《かんにゅう》したのもある。
ところが最近に寄贈を受けた「アララギ」の十一月号を開いて見ると、斎藤茂吉《さいとうもきち》氏の「大沢禅寺《だいたくぜんじ
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