の「2」は上付き小文字]+1/32[#「2」は上付き小文字]+1/42[#「2」は上付き小文字]+………………… ad inf.
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のごときものがある。数において無限なものが蓄積してもその結果は有限である。しかしかくのごとく収斂するためには逐次の各項の間に一定の条件が満足されなければならぬ。同じような級数でも、

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1+1/2+1/3+1/4+………………… ad inf.
[#ここで字下げ終わり]

は無限大となる。
 掌中のペンに働く力は種々ある。第一に重要なものは地球の全質量がこれに及ぼす重力である。すなわち普通にいわゆるペンの目方である。精《くわ》しく云えばこの中には身辺にある可動性の器物や人間や一切のものの引力も加わっていてこれらが動けばそれだけの影響はあるはずである。ただこれらの影響は地球全体に比べて小さい事も確実である。次には雰囲気の引力から起るものであるが、これは地面にある物に対しては大体において零となるはずである。次には月、太陽、諸遊星を始めあらゆる天体の引力も加わる。これらは質量が大なる代りに距離が遠いので影響はやはり
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