来たが、東京駅から駒込までの馴れた道筋はその割に存外遠いような気もした。
気紛れにいつもは出たことのない東京駅東口へ出てそこから車を拾って帰ったが、それだけのちがいで東京がいつもの東京と少し違った東京のように見えた。われわれの「まだ知らない東京」は無限に多数にあるらしい。[#地から1字上げ](昭和十年六月『短歌研究』)
底本:「寺田寅彦全集 第四巻」岩波書店
1997(平成9)年3月5日発行
底本の親本:「寺田寅彦全集 文学篇」岩波書店
1985(昭和60)年
初出:「短歌研究」
1935(昭和10)年6月1日
※初出時の署名は「吉村冬彦」です。
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:Nana ohbe
校正:浅原庸子
2006年10月16日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全12ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
寺田 寅彦 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング