徒一同もすっかりしょげてしまい恐縮してしまったのであったが、とにかくもう一ぺん試験のやり直しをすることになり、今度は普通の中学校式の問題であったから、みんなどうにか及第点をとって、それで事は落着したのであった。
 たしか二年のときであったと思うが、ある日、運動会のあった翌日だからというので、先生がたに交渉して休みにしてもらおうとした。ほかの先生はだいたい休みということになったが、物理の受け持ちの田丸先生はなかなか容易に承諾を与えられなかった。そこで生徒のほうで勝手に休むことに相談一決してみんなで失敬してしまったものである。先生が教場へはいってみるとそこにはたった一人、まじめで勉強家で有名な何某一人のほかにはだれもいなかった。その翌日になると一同で物理の講堂へ呼び出されて、当然の譴責《けんせき》を受けなければならなかった。その時の先生の悲痛な真剣な顔を今でもありあり思い出すことができるような気がする。それが生徒に腹を立ててどなりつけるのではなくて、いったいどうして生徒がそういう不都合をあえてするかということに関する反省と自責を基調とする合理的な訓戒であったのだから、元来始めから悪いにきま
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