)(ヂ)(ツ)(ビー)(ビ)(アン)(ナ)(カ)(ムト)(リ)(フイ)。
(ルー)(ヒー)(フイ)(ダー)(カ)(ア)(ラフ)(タ)(アム)(ラム)(タフ)(リ)(フイ)。
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ギリシアのエピグラムの二行詩は形の上では何と云っても一番よく和歌に似ている。これも例えば長母音を勝手に二音に数えたり、重母音を自己流に分けたり合したりすると短歌と同じ口調に読めるものが多数にある。この場合は第二句の方が短いからなおさら都合がよいのである。例えば
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(ヒツ)(ポン)(ヒユ)(ポ)(スコ)(メ)(ノス)(モイ)(オ)(リユム)(ピ)(オス)(エ)(ガ)(ゲン)(ウ)(ラン)。
(ヘス)(オ)(ソ)(ゴ)(ドラ)(ネ)(オーン)(ヒツ)(ポス)(ア)(ペ)(クレ)(マ)(ト)。
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などは十二、五、七、七と切って読んでもさしつかえはなさそうである。
「オリュンポスが馬を一匹くれるはずであったが、馬の代りに尻尾を一本くれた。その尻尾の端には最後の息をしている馬がぶら下がっていた」というので馬鹿気ているが、何処かしら古代日本人のユーモ
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